10-01

10-01
日曜日、朝普通に目は覚めたのだが、なかなか起きられなかった。体が重く、起き上がれない。夜眠れないということもなかったので、とにかく疲れているのだろう。それに今日は休みだし、別に無理に起きなくたって良い。寝てれ ...
09-22

09-22
エレベーターに乗り、扉が閉まった後、小さい声でお疲れさまでした、と声を掛け合ってから、客宅の門を抜けるまでは、都と岸谷は何も喋らなかった。疲れていたから、というのではない。ここはまだ客宅だ、という社会人として ...
09-21

09-21
都は、ターミナルウィンドウで、現在時刻を表示させてから、ホストネームだけの行を数行作るために、リターンキーを数回叩いた。そのまま、しばらくターミナルウィンドウを凝視し続けた。何のログも出てこないので、コンソー ...
09-20

09-20
都はまたPCの前にしゃがみこんで、一旦深く息を吐き、深呼吸をした。都が思いついたものは、あるイベントをトリガーにして、事前に用意しておいたスクリプトを実行する、と言うコンフィグだった。都は、何回か自分が担当し ...
09-19

09-19
入ってきたのは平下だった。平下はPBX部屋に足を踏み入れると同時に、少し慌てた調子で、そう言ってきた。都は、その慌てぶりに酷く緊張もしたが、逆に、お客が来たわけではないことに安堵もした。腰を落としてしまいそう ...
09-18

09-18
その高齢の客の怒鳴り声は、都が油断をして気が緩んでいたせいなのか、長時間続いた工事で、お客にかかっているストレスが大きくなっているせいなのか、一段と激昂しているように感じられた。都は、驚きと恐怖とで、体が二回 ...
09-17

09-17
通路スペースで、弱くなった陽射しの中、二人で待機していると、岸谷がスーツの内ポケットに入れていた、工事用携帯のバイブレーション機能が振動した。岸谷は、誰?、と言いながら電話を取った。
「はい、岸谷で ...
09-16

09-16
都はそう言って電話を耳から離し、平下が口を開くよりも先に都が喋り始めた。
「平下さん、私が集約条件をコンフィグしてしまいます。お客さんには、作業員に作業指示のために、状況を説明したら、作業員が同じよ ...
09-15

09-15
「間宮さぁん、速過ぎてー、何やってるかわからないですよー!」
都のつぶやきに被せるように、岸谷は、小声の裏声で、ふざけた調子で言って来た。都は、岸谷に何も説明せずに、どんどん手を動かしてしまっていた ...
09-14

09-14
都と岸谷は一斉に固まった。都は、緊張が体を走っていくのを覚えた。大きなしゃがれ声は、間違いないくあの高齢の客だ。離れたところから聞こえてくる、癇癪を爆発せたような怒鳴り声は、都に体が震えるくらいの緊張をもたら ...