2022-01-23一話づつ

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2022-01-23

10-01

 日曜日、朝普通に目は覚めたのだが、なかなか起きられなかった。体が重く、起き上がれない。夜眠れないということもなかったので、とにかく疲れているのだろう。それに今日は休みだし、別に無理に起きなくたって良い。寝てれ ...

2022-01-23一話づつ

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2022-01-23

09-22

 エレベーターに乗り、扉が閉まった後、小さい声でお疲れさまでした、と声を掛け合ってから、客宅の門を抜けるまでは、都と岸谷は何も喋らなかった。疲れていたから、というのではない。ここはまだ客宅だ、という社会人として ...

2022-01-23一話づつ

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2022-01-23

09-21

 都は、ターミナルウィンドウで、現在時刻を表示させてから、ホストネームだけの行を数行作るために、リターンキーを数回叩いた。そのまま、しばらくターミナルウィンドウを凝視し続けた。何のログも出てこないので、コンソー ...

2022-01-23一話づつ

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2022-01-23

09-20

 都はまたPCの前にしゃがみこんで、一旦深く息を吐き、深呼吸をした。都が思いついたものは、あるイベントをトリガーにして、事前に用意しておいたスクリプトを実行する、と言うコンフィグだった。都は、何回か自分が担当し ...

2022-01-23一話づつ

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2022-01-23

09-19

 入ってきたのは平下だった。平下はPBX部屋に足を踏み入れると同時に、少し慌てた調子で、そう言ってきた。都は、その慌てぶりに酷く緊張もしたが、逆に、お客が来たわけではないことに安堵もした。腰を落としてしまいそう ...

2022-01-23一話づつ

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2022-01-23

09-18

 その高齢の客の怒鳴り声は、都が油断をして気が緩んでいたせいなのか、長時間続いた工事で、お客にかかっているストレスが大きくなっているせいなのか、一段と激昂しているように感じられた。都は、驚きと恐怖とで、体が二回 ...

2022-01-23一話づつ

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2022-01-23

09-17

 通路スペースで、弱くなった陽射しの中、二人で待機していると、岸谷がスーツの内ポケットに入れていた、工事用携帯のバイブレーション機能が振動した。岸谷は、誰?、と言いながら電話を取った。
 「はい、岸谷で ...

2022-01-23一話づつ

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2022-01-23

09-16

 都はそう言って電話を耳から離し、平下が口を開くよりも先に都が喋り始めた。
 「平下さん、私が集約条件をコンフィグしてしまいます。お客さんには、作業員に作業指示のために、状況を説明したら、作業員が同じよ ...

2022-01-23一話づつ

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2022-01-23

09-15

 「間宮さぁん、速過ぎてー、何やってるかわからないですよー!」
 都のつぶやきに被せるように、岸谷は、小声の裏声で、ふざけた調子で言って来た。都は、岸谷に何も説明せずに、どんどん手を動かしてしまっていた ...

2022-01-23一話づつ

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2022-01-23

09-14

 都と岸谷は一斉に固まった。都は、緊張が体を走っていくのを覚えた。大きなしゃがれ声は、間違いないくあの高齢の客だ。離れたところから聞こえてくる、癇癪を爆発せたような怒鳴り声は、都に体が震えるくらいの緊張をもたら ...