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野菜を刻み終わり、全部まとめて炒めてしまおうと、開きからフライパンを出し、コンロに置いてからごま油の瓶を取ると空だった。先日使い切ったので、帰宅時にスーパーに寄って買い足さないといけないと思っていたのを今思い出した。スーパーは22時まで開いているのでまだ余裕だ。沸いたことを知らせる薬缶の笛がうるさいので、コンロの火を切る。まずコーヒーを飲んでから買い物へ行くかどうか迷ったが、面倒なことは先に済ませた方が良いに決まっているので、クローゼットの中からパーカーのワンピースを取り出して被った。ガス湯沸かし器のスイッチとコンロの元栓くらいは閉めて、電気などはつけっぱなしでいいやと、スマートフォンをパーカーのポケットにしまい混み、長財布はセカンドバッグのように抱え、玄関でビーチサンダルを履き全身鏡で確認する。少しばらけた前髪をまず直してから、両手でパーカーワンピースの肩がどちらかへ寄らないように着こなしを調整する。膝上まである丈で少しすぼまるような形なので別に覗かれる心配もない。まな板のようだと馬鹿にされたことを嘆くと、父と兄が控えめなことは美であると慰められたような胸では、突起が出てしまったり変に形が露わになるようなこともない。ショートボブの襟足を少し直してから、もう一度鏡を見つめてから出かけた。