04-03
既に新規回線の敷設は現地キャリアにより完了しており、新しい客宅ルーターを接続したＷＡＮ開通試験も良好の結果だった。現在は旧回線を終端している既存の客宅ルーターにお客のＬＡＮケーブルが接続されている。時間になったら現地のお客自身でＬＡＮケーブルを新規ルーターへ繋ぎ変えてもらう。
稀にＬＡＮ直下のお客のＬ２機器が既存客宅ルーターとの接続を維持したまま、別ケーブルで新規客宅ルーターと接続されてしまうことがある。そういった場合に起こるＩＰアドレスの競合やダイナミックルーティングの不具合を防ぐために、新規客宅ルーターのＬＡＮインターフェイスは閉塞しておく。時間前でプロバイダ側の指示もないまま勝手に既存客宅ルーターからケーブルを抜去されてしまうこともあるので、それがモニター出来るよう既存客宅ルーターにもログインしておき、ターミナルソフトにログが上がるような設定にしておく。もちろん見落とした時や後で工事当時のログの参照が必要になった時のために、ターミナルソフトのログ取得は仕掛けてある。
通常端末のスクリーンロックを解除してメールをチェックすると、ＰＭと海外オフショアセンターの担当エンジニアとのやりとりが見て取れた。時間前だがスタンバイしているかの確認に、何かあれば連絡してくれという返事。通常の案件の場合、海外オフショアセンターのエンジニアが客宅ルーターのコンフィグなどのＳＥ作業をすることになっている。都のような専任のＳＥは出番がない。しかし特殊な設計要件やプロバイダの責任区分範囲外まで踏み込まなければならない案件もある。海外のオフショアセンターではお客のネットワークを全体として俯瞰しながら設計するということはしない。それ故このような案件には日本で専任のＳＥをアサインし、お客のネットワーク全体を考慮しながら客宅ルーターの設計、コンフィグをすることになる。プロバイダエッジルーターを初めバックボーンについては海外オフショアセンターでしか操作できない。そのためＬＡＮ切り替え時には不測な事態に備えて海外オフショアセンターのエンジニアにも待機してもらう。プロバイダエッジのルーターの設計、コンフィグについてはＷＡＮ開通の時に確認してあるので、こういう案件のＬＡＮ切り替え工事は何事もなければ彼らは待機するだけで終わってしまう。最初の在席確認と最後の体制解除連絡以外何のやりとりもないエンジニアもいれば、何もやることがないのだから早く体制解除しろと言わんばかりに、２０分おきくらい毎でアップデートを要求するメールを送ってくるエンジニアもいる。